映画『アドヴィタム』感想(★★)
※この記事は作品のネタバレを含みます。
陰謀に巻き込まれた主人公が過去と向き合いながら逃走するサスペンス。序盤は謎が多く、先の展開が気になる導入となっている。
作品情報
タイトル:アドヴィタム ジャンル:サスペンス・アクション 主演:不明
感想
本作は、主人公が何者かに狙われる理由が明かされないまま進行するため、序盤は「過去に何があったのか」という興味で引き込まれる。謎を軸にした導入の引きは良く、展開への期待感が高まる構成だった。
しかし中盤以降、警官時代の回想シーンが長く続くことでテンポが落ちてしまう。重要な出来事は限られているため、情報の取捨選択が不十分な印象を受け、物語の勢いが削がれているように感じられた。
キャラクター面では、主人公の印象が強烈というよりは外見的なイメージに引っ張られる部分もあり、観ているうちに別の人物像が重なって見えてくるのも特徴的だった。
主人公の妻の行動にもやや違和感が残る。子どもを望んでいなかったにも関わらず、妊娠後に考えを変える展開は唐突に感じられた。また、妊婦でありながら激しいアクションをこなす描写も現実感に欠け、ややコミカルに映る部分もある。
その中で印象に残るのは、アラブ人の元同僚の存在。自身も負傷しているにも関わらず、主人公夫妻のために行動する姿は、数少ない魅力的なキャラクターとして際立っていた。ラストでの表情からは複雑な感情も読み取れ、静かな余韻を残す存在となっている。
印象に残ったポイント
・序盤の謎を引きにした展開
・長尺の回想によるテンポの変化
・現実感に乏しいアクション描写
・印象的な元同僚キャラクター
・ラストに残る静かな余韻
総評
序盤の引き込みは良いものの、中盤以降の構成に課題が残る作品だった。テンポとキャラクター描写のバランスが整えば、より魅力的な作品になった可能性がある。
一部に見どころはあるが、全体としては惜しさの残るサスペンス作品という印象だった。









