映画『夏目アラタの結婚』感想(★★★)
※この記事は作品のネタバレを含みます。
死刑囚にプロポーズするという衝撃的な展開から始まる、かなり不思議なジャンルの映画だ。
コメディ、ミステリー、ラブストーリーなど様々な要素が混ざり合っており、独特な雰囲気の作品だった。
作品情報
タイトル:夏目アラタの結婚
ジャンル:ミステリー / サスペンス / ラブストーリー
主演:柳楽優弥、黒島結菜
感想
この作品はコメディ、ミステリー、ラブストーリーと複数のジャンルを詰め込んだ独特な映画だ。
死刑囚の女性にプロポーズするというぶっ飛んだ展開はコメディのようでもあり、事件の真相が徐々に明らかになっていく流れはミステリーとしての緊張感もある。さらに主人公アラタと真珠が惹かれ合っていく様子はラブストーリーの要素もあり、かなりジャンルの幅が広い作品になっている。
特に印象的だったのは、真珠役を演じた黒島結菜。
幼さや無邪気さを感じさせる一方で、どこか狂気もにじむ不気味さがあり、犯人役として非常にハマっていた。
調べてみると彼女は28歳とのことで驚いた。作中では未成年という設定だが違和感はなく、知らない女優だったこともあり、もっと若い人だと思っていた。可愛い顔立ちなのに黄ばんだ歯の演出で台無しになっているのも、ある意味強烈なキャラクター表現だった。
印象に残ったポイント
アラタと真珠の駆け引きは、この映画の大きな見どころだ。
真珠の言葉が嘘なのか本当なのか分からない状態で会話が進むため、常にハラハラさせられる。
物語が進むにつれて明らかになる真珠の家庭環境もかなり衝撃的だった。
特に母親の存在はひどく、ペットのように食事だけ与えて放置した挙げ句、一緒に死のうとするという身勝手さには腹が立つ。真珠の歪んだ人生を考えると、ある意味同情してしまう部分もあった。
一方で、事件の真相に関しては気になる点もあった。
まずひとつ目は、真珠の年齢詐称の設定だ。
亡くなった姉になりすますために2歳差を隠して長年過ごすというのは、さすがにどこかでバレそうで少し無理があるように感じた。
もうひとつは、真珠に殺された3人の設定。
「3人とも死にたがっていたから殺した」という説明はやや唐突で、死にたい人たちが都合よく真珠の元に集まる展開は少しご都合主義に思えた。
総評
心の内が読めない真珠に翻弄されながら、アラタが事件の真相へ迫っていくストーリーは面白かった。
特に黒島結菜の演技は役の設定と非常にマッチしており、キャスティングは良かったと思う。
ただ全体としては、コメディ・ミステリー・ラブストーリーなど様々な要素を詰め込みすぎた印象がある。その結果、ジャンルの方向性がやや曖昧になり、どれも少し中途半端に感じてしまう部分もあった。
とはいえ、真珠というキャラクターの魅力とアラタとの心理戦は見応えがあり、最後まで楽しめる作品だった。



