映画『あのコはだぁれ?』感想(★★★)
※この記事は作品のネタバレを含みます。
人が死ぬ瞬間の音を録音する少女という、かなり強烈な設定から始まる作品。
ホラー作品としての不気味さもあるが、物語が進むにつれてサナという人物とその家族の異常性に迫っていく構成が印象的だった。
作品情報
タイトル:あのコはだぁれ?
ジャンル:ホラー/ミステリー
主演:渋谷凪咲
感想
本作でまず引き込まれるのは、サナというキャラクターの設定だ。
「グシャ」「バキ」「ゴキ」といった人が死ぬ瞬間の音を録音するという異様な趣味を持つ少女。
見た目はごく普通の女の子だが、物語が進むにつれてその本性が徐々に明らかになっていく。
特に印象的なのは、鼻歌を歌いながら淡々と人を殺していく場面だ。
そのターゲットが自分の家族を中心に広がっていく点も含め、サナの狂気が徐々に浮かび上がってくる。
印象に残ったポイント
サナだけでなく、彼女の家族もどこか異常に感じられる。
ほのかがサナの家を訪れた場面では、その空気の異様さが際立っていた。
寝たきりで看病していた祖母が亡くなったことを、母親があっさりと口にする。
そしてそれを父親も当然のように受け入れる。
家族のやり取りの淡々とした不気味さが、サナの異常性の背景を感じさせるシーンだった。
終盤の展開も印象的だ。
ほのかの彼氏の正体が、実はサナの弟だったという事実が明らかになる。
冒頭でサナが事故を起こした理由もここでつながり、「家族を狙う」という彼女の動機が見えてくる。
この伏線の回収には意外性があり、ミステリーとしての面白さも感じられた。
総評
クライマックスでは、因縁の屋上でほのかと彼氏がサナと対峙する。
一度は2人がサナに打ち勝ち、ハッピーエンドになるかと思わせる展開になる。
しかし結果はバッドエンド。
ほのかと彼氏は命を落とし、結婚するはずだった2人は結ばれない。
胸が重くなる結末ではあるが、サナという存在の狂気を考えると、この終わり方は作品の雰囲気に合っているとも感じた。
全体としてはホラー要素もあるが、恐怖演出よりもサナとその家族の秘密に迫るミステリー寄りの作品という印象が強い。
鑑賞前はあまり期待していなかったが、サイコキラーやバッドエンド作品が好きな人にとっては、意外と楽しめる一本だった。




